助成金の不正受給防止や保育の質の向上を目的として、企業主導型保育事業では2020年度より財務監査と労務監査が加わりました。
このうち「財務監査」とは、公認会計士や税理士などの専門家が、保育施設での帳簿書類や決算書類等を確認し、会計処理の具体的な手続き内容や助成金の不正使用等が行われていないかをチェックする監査のことを言います。労務監査の場合には、社労士などの専門家が、就業規則や賃金台帳などの書類をチェックしますが、財務監査は「財務」だけに焦点を絞って監査を行います。
今年度から始まる監査のため、まだ情報が少ないですが、財務監査は下記の3点を軸にして行われます。
①管理組織
会計に関する内部牽引体制について問われます。通常監査でも、経理規定等に基づいて、統括会計責任者・会計責任者・出納職員・経理事務委託についてそれぞれ別々の職員が任命されているか辞令で確認したり、印鑑・通帳・小口現金について保管場所と担当者の分け方が問われたりしますが、財務監査でも専門家が保育所内の体制を確認します。
②適正な会計処理
企業主導型保育事業は助成金事業であることから、助成金の使い道や会計処理については細かく制限されています。例えば、設置企業が助成金収入の中から保育所としての利益を計上したり、本部繰入を行うことは認められていません。また、何かを購入するときに立替払いを行ったり、専用通帳以外で助成金収入を管理することは認められていませんが、財務監査ではそのような点を財務の専門家が確認します。
③透明性の確保された契約
建物整備の時に2社見積もりの実施等が要件になっていますが、企業主導型保育園を運営するうえでは、世間的な相場から著しくかけ離れた金額で契約を行うことは許されていません。そのため、契約にあたって2社見積もりの実施や会計責任者の承認などによって透明性・適正性が担保されているかチェックが行われます。
株式会社メディレクションでは、企業主導型保育事業の企業負担に関する問題や、提携企業との契約書に関する問題などさまざまなご相談に対応しております。
関西(明石市、三木市、三田市、宝塚市、西宮市、芦屋市、淡路市など)を中心に無料相談・出張相談(日本全国可能)にも対応しておりますので、お悩みの際はお気軽にご相談ください。
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